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大阪、なんばのカウンセリング:人はなぜ、逃げてしまうのか

はじめに:なぜ私たちは「分かっているのに苦しい場所」に戻ってしまうのか?

「本当はもう、こんな関係やめたいのに」

「この仕事、自分には合っていないし辛いだけなのに、なかなか辞められない」

「悪口ばかり言われる場所なのに、なぜかまた顔を出してしまう」

そんな風に、自分にとってプラスにならない「マイナスの世界」や「辛い環境」に留まり続けたり、一度抜け出したはずなのにまた戻ってしまったりした経験はありませんか?

周りの友人からは「そんな場所、すぐに離れればいいじゃない」「もっと自分を大切にしなよ」と言われるかもしれません。自分でも「そうだよな」と分かっているはずなのに、なぜか足が勝手に元いた辛い場所へと向かってしまう。そんな自分に対して、「自分は意思が弱いんじゃないか」「駄目な人間なんだ」と責めてしまうこともあるでしょう。

しかし、結論からお伝えします。

あなたがマイナスの世界に戻ってしまうのは、決して「意志が弱いから」でも「愚かだから」でもありません。

そこには、人間の心が自分自身を必死に守ろうとする、非常に精巧な仕組み(防衛機制)が働いているのです。

この記事では、心理カウンセリングサロンLuanaの視点から、心がなぜ自分を傷つけるような環境に戻ってしまうのか、その裏に隠された「心の逃避」や「闘争と逃走」のメカニズム、そして自分を良く見せようとする心理との関係性について、20代の皆さんにも分かりやすく紐解いていきます。

今、もしあなたが「抜け出したいのに抜け出せない」という苦しさの中にいるなら、まずはその心の仕組みを知ることから始めてみましょう。

2. 心の防衛機制(ぼうえいきせい)とは?

まずは、心理学でとても重要な概念である防衛機制(Mechanism of Defense)について理解を深めていきましょう。

心理学における防衛機制の基本原理

防衛機制とは、一言で言うと「心の不快感や不安、恐怖などのストレスから、自分自身の心を無意識に守るための自衛システム」です。

私たちの心は、強いストレスや精神的なショックを受けると、壊れてしまいそうになります。そうした危機から心(自我)を守るために、脳は無意識のうちに様々な「心のクッション」を作ります。これが防衛機制です。

防衛機制には、ストレスの原因を記憶の奥底に押し込める「抑圧」、自分の感情を他人のものだと思い込む「投影」、自分の行動を都合よく言い訳する「合理化」など、たくさんの種類があります。これらはすべて、人間が生きていく上で欠かせない正常な心の機能です。

なぜ「逃避」が防衛機制になるのか

今回注目する「逃避(Escape / Avoidance)」も、防衛機制の代表的な手段の一つです。

現実の課題や辛い感情に向き合うことがあまりにも苦しい時、心はその事実から目を背けたり、別の場所に意識をそらしたりします。

  • 仕事で大きな失敗をした時、現実的な解決策を考えるのではなく、ゲームやSNSに没頭して思考を止める

  • 人間関係のトラブルが発生した時、話し合いから逃げて関係をシャットアウトする

  • 将来の不安から逃げるために、目の前の買い物を過剰にして気を紛らわせる

これらは一見、問題を先送りしているように見えますが、その瞬間の「心が潰れてしまいそうな猛烈なストレス」からは確かに自分を守っています。つまり、「逃避」は一時的に心を安全地帯に避難させるための防衛策なのです。

3. 人はなぜ「マイナスの世界」に戻ってしまうのか?

ここからが、今回の最も大切な本質に迫る部分です。

自分を苦しめるような「マイナスの世界(辛い職場、依存的な恋愛、不健全な人間関係など)」から抜け出したいと願っているのに、なぜそこに戻ってしまうのでしょうか?

心理学の観点から見ると、そこには3つの大きな理由が存在します。

① 未知の恐怖より「慣れ親しんだ地獄」を選ぶ心の癖

人間には「恒常性(ホメオスタシス)」という性質があります。これは、心や体が「現在の状態を維持しようとする傾向」のことです。

たとえ現在の環境が「マイナスの世界(苦しい、辛い)」であったとしても、長年そこにいると、心にとってはそれが「予測可能な日常」になります。

  • 「怒られるかもしれないけれど、怒られ方のパターンは分かっている」

  • 「大切にされないけれど、傷つき方の限度は分かっている」

このように、辛い環境であっても「次に何が起こるか予測できる」状態は、心にとってある種の安心感(認知的な安定)をもたらします。

一方で、そこから抜け出して「新しいプラスの世界」へ行くことは、心にとって「何が起こるか全く分からない未知の世界」へ飛び込むことを意味します。人間は本能的に「未知」に対して強い恐怖を感じます。

結果として、心は「未知の天国(本当に幸せになれるか分からない場所)」よりも、「慣れ親しんだ地獄(辛いけれど予測がつく場所)」を無意識に選んでしまうのです。

② 自己否定感と「お似合いの場所」という思い込み

20代の若い世代に特に多いのが、自己肯定感の低さからくる「自分にはこの場所がお似合いだ」という思い込みです。

自分に自信が持てない時、私たちの潜在意識(無意識)は、自分の自己評価に合った環境を引き寄せようとします。これを心理学で「自己検証理論」と呼ぶこともあります。

「自分は価値がない人間だ」「愛される資格がない」と深く思い込んでいると、自分を大切にしてくれる温かい環境に置かれた時に、逆に強い違和感や居心地の悪さを感じてしまいます。

そして、自分を雑に扱う場所や、常にダメ出しされる環境に行くと、「やっぱり自分はこういう扱いを受ける存在なんだ」と、変な納得感を得て落ち着いてしまうのです。自分を傷つけるマイナスの世界の方が、自分の悲観的な自己イメージとしっくり来てしまうという悲しい逆転現象が起きているのです。

③ 「二次的利得(にじてきりとく)」の存在

心理学には「二次的利得」という言葉があります。一見すると自分にとって害にしかならない状況(病気、不幸、マイナスの環境)から、実は無意識のうちに何らかの「メリット(利得)」を得ている状態を指します。

マイナスの世界に留まり続けることで、以下のような「隠れたメリット」を得ている場合があります。

  • 責任の回避: 「環境が悪いから」「相手が酷いから」と言えることで、自分の人生に対する本当の責任(挑戦する、決断する)から逃げられる。

  • 同情や関心の獲得: 「こんなに辛い環境で頑張っている私」でいることで、周りから優しくされたり、同情してもらえたりする。

  • 変化への言い訳: 辛い場所にいることを理由にすれば、新しい勉強や転職活動などの努力をしなくて済む。

もちろん、本人が意識してズルをしているわけではありません。あくまで心が無意識のレベルで「苦しいけれど、ここにいれば挑戦しなくて済む」という安全を選んでいるのです。

4. 動物的本能としての「闘争と逃走(Fight or Flight)」

「逃げる」という行動を考える上で外せないのが、人間が生き物として本来持っている「闘争と逃走反応(Fight or Flight Response)」です。

原始的な生存本能とは

大昔、人間が野生で暮らしていた頃、目の前にライオンなどの捕食者(敵)が現れた時、体と脳は一瞬で判断を迫られました。

  • 闘走(Fight): 武器を持って戦い、敵を倒す

  • 逃走(Flight): 一目散に逃げて、安全な場所に隠れる

このどちらかを選択しなければ、即座に命を落としてしまいます。そのため、ストレス(脅威)を感じた瞬間に交感神経が優位になり、心拍数が上がり、筋肉に血液が送られ、体を「戦闘か退避か」の状態にする仕組みが人間の遺伝子に刻まれました。

現代社会における「闘走」と「逃走」の具体例

現代の日本でライオンに襲われることはまずありません。しかし、現代人にとってのライオンは「パワハラ上司」「人間関係の摩擦」「過度なノルマ」「将来への不安」に形を変えています。

現代のストレス環境における「闘争」と「逃走」は、以下のように表れます。

【闘争(Fight)の例】

  • 理不尽な要求に対して、真っ向から反論・議論する

  • 自分をバカにしてきた相手を見返すために、必死で成果を出す

  • 相手の非を詰問し、攻撃することで自分の立場を守ろうとする

【逃走(Flight)の例】

  • 居心地の悪い飲み会や集まりから、理由をつけて途中で抜ける

  • 面倒なメールやメッセージの返信を後回しにしてスルーする

  • 辛い職場を退職したり、連絡を絶って関係をリセットしたりする

ここで重要なのは、「闘走」も「逃走」も、命を守るための正常な生物的反応であるということです。

しかし、現代社会では「戦うこと」も「逃げること」も、そう簡単にできない場面がたくさんあります。「上司に反論したら会社にいられなくなる(戦えない)」「でも仕事を辞めたら生活できない(逃げられない)」という状態です。

戦うことも逃げることもできない時、人の心は「凍りつき(Freeze)」という状態に入り、感覚を麻痺させます。これが、マイナスの世界で思考停止になり、言われるがままに留まり続けてしまう大きな原因になります。

5. 「自分を良く見せようとする心理」と心の逃避の罠

私たちがマイナスの世界から抜け出せない理由には、もう一つ「プライドや世間体」が深く関係しています。つまり、「自分を良く見せたい」という心理です。

「プライド」と「世間体」が邪魔をする

20代は、 SNSなどを通じて他人のキラキラした生活やキャリアが嫌でも目に入る年代です。そのため、「失敗したくない」「惨めな自分を他人に見せたくない」という気持ちが強くなりがちです。

  • 「せっかく入社した有名企業だから、どんなに雰囲気が悪くても辞めたくない(優秀な自分でいたい)」

  • 「周囲から『お似合いのカップル』と言われているから、裏でひどい扱いを受けていても別れられない(幸せな私を見せていたい)」

  • 「ここで投げ出したら『負け犬』と思われるのが嫌だから、我慢して留まる」

このように、「他人から見た自分(良く思われたい自分)」を守ろうとするあまり、現実の「傷ついている生の自分」を無視してしまうのです。

「前向きな逃避」と「後ろ向きな逃避」

ここで混同してはならないのが、「逃避」という行動そのものが悪いわけではないということです。逃避には2つの種類があります。

種類 特徴 結末
後ろ向きな逃避 現実から目を背けるためだけに、マイナスの世界(依存・我慢・諦め)に留まり続けたり、問題そのものを放置したりすること。 心のエネルギーがすり減り続け、現状が何も変わらない。
前向きな逃避 自分の心と身を守るために、意図的に危険な場所から離れ、次のステップのための休息や準備期間を取ること。 心が回復し、新しい選択肢が見えてくる。

自分を良く見せようとするあまり、「ここで逃げたら周りからどう思われるか」を気にしている状態は、一見踏みとどまって戦っているように見えて、実は「周りからの評価を失う恐怖」から逃げるための「後ろ向きな我慢」になっていることが多いのです。

真の意味で自分を救うのは、「良く見せるための自分」を一度捨てて、「今の私は辛いんだ」と素直に認め、その場所から去る「前向きな逃避(避難)」です。

6. 「心の逃避」を分解する:私たちは何から逃げているのか?

一口に「心の逃避」と言っても、人が逃げようとしている対象は、目の前の「場所」や「人」だけではありません。実は、もっと深い内面のものから逃げています。

人が本当に逃げているものは、主に以下の4つです。

① 「責任」からの逃避

自分の人生のハンドルを自分で握ることは、とても自由であると同時に、大きなプレッシャーを伴います。

もしマイナスの世界から抜け出して新しい一歩を踏み出したら、その後の成功も失敗もすべて自分の責任になります。しかし、辛い環境に留まり続けていれば、「この環境が悪いから」「あの人が酷いから」と、自分の人生がうまくいかない理由を外部のせいにできます。

無意識のうちに、「自分の人生の責任を取ること」から逃げるために、マイナスの世界に留まるという選択をしてしまうのです。

② 「孤独」からの逃避

人間にとって、集団から孤立することは原始時代から続く根本的な恐怖です。

どれだけ自分を傷つける不健全なコミュニティや人間関係であっても、そこにいれば一応「誰かとつながっている」という感覚を得られます。そこを去れば、一時的に深い「孤独」を味わうことになります。

人は、「嫌な奴と一緒にいる苦痛」よりも「たった一人になる孤独の恐怖」の方を大きく感じてしまうため、マイナスの世界にしがみついてしまいます。

③ 「本当の感情」からの逃避

「私は今、すごく傷ついている」「本当はあの人が嫌いだ」「私は悲しい」という自分の本当の感情と向き合うことは、時に激しい痛みを伴います。

そのため、過度に忙しくしたり、我慢を重ねたり、思考を麻痺させたりすることで、「自分の本当の悲しみや怒りを感じること」から逃げようとします。

④ 「変化に伴うエネルギー消費」からの逃避

人間の脳は、できるだけエネルギー消費を抑えようとする省エネモード(効率化)を好みます。

現状を変える(転職する、引越しをする、別れる)には、膨大な決定権と行動エネルギーが必要です。すでにマイナスの環境で心が疲れ果てている時、脳には「現状を変えるためのエネルギー」が残っていません。

その結果、「エネルギーを使わずに済む、現状維持(マイナスの世界)」へと倒れ込んでしまうのです。

7. 心理カウンセリングサロンLuanaからのメッセージ:マイナスの世界から一歩踏み出すために

もし今、あなたが「辛い環境から抜け出せない」「また同じようなダメな環境に戻ってしまった」と悩んでいるなら、どうか自分を責めないでください。

それはあなたの心が弱かったからでも、愚かだからでもありません。あなたの心が、これ以上のショックや恐怖からあなたを守ろうとして、必死に発動させた「防衛機能」の結果に過ぎないのです。

最後に、心理カウンセリングサロンLuanaから、そのループから抜け出すための小さなアプローチをお伝えします。

まずは「戻ってしまう自分」を認めて許す

「またあの場所に戻っちゃったな」「また断れなかったな」と気づいた時、自分を怒ったり失望したりするのをやめてみましょう。

代わりに、こう自分に声をかけてみてください。

「あぁ、私の心は今、未知の世界へ行くのが怖くて、必死に自分を守ろうとしてくれたんだな」

自分の防衛機制を理解し、受け入れること(自己受容)が、変化のための第一歩になります。

「マイナスの世界」にいるメリットを紙に書き出してみる

少し落ち着いた時に、ノートとペンを用意して、あえてこう自分に問いかけてみてください。

「この辛い環境に居続けることで、私はどんな『楽』をしているだろう?」

「ここを離れることで、私はどんな『恐ろしいこと』が起きると思っているだろう?」

  • 「ここにいれば、新しい人間関係を作る努力をしなくて済む」

  • 「ここにいれば、自分の実力を試されて挫折するリスクを避けられる」

そうやって、心が隠していた「二次的利得」や「恐れていること」を言語化して視覚化すると、脳の混乱が収まり、「あ、私はこれに怯えていただけなんだ」と冷静に客観視できるようになります。

小さな「安全なプラス」を増やしていく

マイナスの世界から一発で大ジャンプして脱出しようとする必要はありません。急激な変化は、心が恒常性(ホメオスタシス)を働かせて、激しい引き戻し現象を起こすからです。

まずは、日常の中で「100%自分が安全だと感じられる時間や場所」を5分でも10分でも作ってみましょう。

  • 誰の目も気にせず、好きなカフェで温かい飲み物を飲む

  • 信頼できる友人やカウンセラーに、まとまらない気持ちをそのまま話してみる

  • 自分の部屋を、自分が一番落ち着く空間に整える

「マイナスではない、安全で穏やかな場所」の感覚を少しずつ体に覚えさせていくことで、心は自然と「未知の世界」に対する恐怖を和らげていきます。

8. まとめ

人がマイナスの世界に戻ってしまうのは、意志の強さの問題ではなく、「未知への恐怖」「自己否定感」「二次的利得」、そして「防衛機制としての逃避」という心のメカニズムが複雑に絡み合っているからです。

また、現代社会を生きる中で「自分を良く見せたい」というプライドや、「孤独になりたくない」という本能が、私たちを辛い場所に引き留める鎖になることもあります。

しかし、そのメカニズムの構造を知り、「自分の心が何から逃げようとしているのか」に気づくことができれば、必ずそのループから抜け出す選択肢が見えてきます。

あなたの人生の主人公は、他の誰でもなくあなた自身です。世間体や過去の慣れ親しんだパターンではなく、「本当のあなたが心から安らげる場所」へ歩みを進めていきましょう。

心理カウンセリングサロンLuanaは、あなたが自分自身の心と優しく向き合い、新しい一歩を踏み出すプロセスをいつでも応援しています。

大阪、なんばのカウンセリング。Luanaは、カウンセリングを日常生活の一部になるように、活動しています。
もっとカウンセリングが広まれば、悩みこむ人が少なくなると感じています。生きづらさを解消するホントが、心理学には詰まっています。
それをもとに、カウンセリングで自分と向き合い作業をしていきます

大阪なんばのサロンでお待ちしています

プロフェッショナル心理カウンセラー
金崎健二

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