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ブログ 【家族運命学とは】

ゾンデイの家族運命学とは──あなたの人生シナリオを読み解く

プロフェッショナル心理カウンセラー 金崎健二


はじめに:なぜ今「家族運命学」なのか

私たち人間は、生まれた瞬間から家族という“場”の中で育ち、そこで受け取ったルールや価値観、期待や役割を背負いながら成長していきます。しかし、大人になってから悩む多くの問題──恋愛、人間関係、仕事の迷い、生きづらさの正体──は、実は家族の中で形成された“無意識のシナリオ”が強く影響しています。ゾンデイ(Jacob L. Moreno のサイコドラマ研究者として日本で紹介される際に「ゾンデイ」と表記されることもある)が提示した家族運命学は、その無意識のシナリオを読み解く強力な心理学的フレームです。本記事では、Luana の心理カウンセラー金崎として、クライエント支援の実践視点から、この理論を分かりやすく解説し、自分の人生を読み解くための手がかりとしてお届けします。


第1章:ゾンデイの家族運命学とは

家族運命学とは、家族の中で受け継がれてきた“心理的な流れ”を紐解き、そこに隠された無意識の運命を理解する学問です。ゾンデイは、家族の問題は単なる個人の問題ではなく、家族全体が抱えるパターンや歴史が形づくる“運命的ドラマ”として捉えました。私たちは親の感情のクセ、発言のパターン、価値観だけでなく、「願い」「未完了の想い」「達成されなかった夢」さえも無意識に引き継いでいます。この学問は、家族の歴史を「心理的遺伝子」として理解するアプローチといえるでしょう。


第2章:家族は“感情の器”である

家族運命学の中心にあるのは、家族を「感情が受け継がれる器」として捉える視点です。家族では、喜びや愛情だけではなく、怒り、悲しみ、恐れ、孤独、後悔など、多くの感情が共有されます。しかし、それらは言葉として語られない場合が多く、沈黙のまま次の世代に受け継がれることも珍しくありません。例えば、“お母さんが我慢してきた人生を娘がそのまま繰り返している”というケースは非常に多く見られます。これは偶然ではなく、未処理の感情が、無意識の中で次の世代に影響を与えるためです。


第3章:なぜ同じパターンが繰り返されるのか

ゾンデイは、家族の中で繰り返される行動パターンを「運命の再演(Repeating Fate)」と呼びました。人は育った環境の中で形成された価値観や信念に従う傾向があります。例えば、親が「人に迷惑をかけてはいけない」と強く刷り込んでいた場合、子どもは大人になっても必要以上に我慢し、自分を犠牲にし続けるパターンを持つことがあります。逆に、放任された子どもは、愛情に対する渇望から、恋愛でしがみつくような依存的パターンを形成することがあります。こうした繰り返しは、意識では選んでいないのに、無意識の中で強制力を持つ“家族の運命脚本”によって起こるのです。


第4章:家族役割と運命脚本

家族の中には必ず役割があります。「しっかり者の長女」「問題児の弟」「仲介役の母」「沈黙する父」などのように、家族はバランスを取るために、全員が無意識に役割を演じています。この役割は、子ども自身が選んだものではなく、家族の均衡を保つために“割り当てられた役割”であることがほとんどです。そして大人になっても、その役割を引きずって生きるため、生きづらさとして現れます。例えば、幼いころから家族の“聞き役”だった人は、社会に出ても周囲の悩みを背負い込み、疲れ切ってしまうことがあります。役割は無意識に続き、本人を縛り続ける運命になります。


第5章:感情の遺伝とは何か

心理学では、感情も“遺伝”すると考えられています。もちろん科学的な遺伝ではありません。しかし、親が抱えていた「恐れ」「恥」「罪悪感」「怒り」「諦め」は、家庭の空気として子どもに伝わります。例えば、家族に代々“自己犠牲を美徳とする価値観”が流れていると、子どもは自分を大切にすることに強い罪悪感を覚えるようになります。このように、感情は形を変えながら繰り返されていき、家族の中の運命的な流れを形成していきます。


第6章:家族運命学を知ることで何が変わるのか

家族の歴史を知ることは、“自分の人生の背景にある脚本”を読み解くことにつながります。自分がなぜいつも同じ恋愛を繰り返すのか、なぜ理不尽なほど我慢してしまうのか、なぜ幸せになることが怖いのか──その理由が明確になります。理解することは、癒しの第一歩です。家族の影響を知ることで、自分の人生を“自分の選択”として生き直すことが可能になります。これは、Luana のカウンセリングで多くのクライエントが体験している変化のプロセスでもあります。


第7章:家族図(ジェノグラム)で見えるもの

家族運命学では、家族の歴史を「ジェノグラム」という家系図のような図で整理します。これにより、家族の中で繰り返されてきたパターンや感情の流れが可視化されます。例えば、三世代にわたり“離婚は悪いこと”とされている家庭では、恋愛関係において強い不安を抱えるケースが多く見られます。また、代々“長男が家族を支える”という価値観を持つ家庭では、本人が望んでいなくても役割に縛られ、自由な選択ができなくなることがあります。ジェノグラムは、こうした見えない運命を浮き彫りにするツールです。


第8章:未完の感情を完了するという視点

家族運命学では、祖父母や親が抱えていた“未完の感情”が、子どもや孫の世代に影響することがあると考えます。例えば、親が「本当は好きな仕事をしたかったが諦めた」という感情を抱えたまま生きていると、子どもは理由もなく“やりたいことをすると罪悪感を感じる”という心理を持つことがあります。Luana のカウンセリングでは、こうした未完了の感情を扱い、本人が自分の人生を取り戻す手助けをします。


第9章:あなたの運命を変える方法

運命学という言葉を聞くと、“変えられないもの”というイメージを持つ人は多いでしょう。しかしゾンデイの家族運命学は、運命を“読み解いた上で選び直す”学問です。家族の影響を理解し、自分の中にある無意識のシナリオを意識化することで、人生は確実に変えることができます。自分は自分の人生を生きてよい。家族の歴史に敬意を払いつつ、自分の未来を自由に選ぶことができます。


終章:Luanaが大切にしていること

家族運命学を学ぶことは、自分の人生の“取扱説明書”を見つけるようなものです。家族の歴史を知り、自分の内側の声に気づき、そしてこれまで選べなかった道を選べるようになる。それが、Luana が目指すカウンセリングの本質です。あなたがあなたらしい人生を歩むためのお手伝いを、これからも丁寧に続けていきます。

機能不全家族という言葉があります。家族システムが機能していないということです
家族の中で守られている子供は、傷を癒してまた飛び立てます。
そんな家族の在り方を、伝えています。
是非、Luanaで学びませんか?

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