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ブログ 【共依存】

「共依存」――“相手を大切にしたい”その優しさが、あなたを苦しめるとき

心を軽くするためのやさしい心理学**


■はじめに:どうして私は、こんなに人に振り回されてしまうのだろう?

「嫌われたくない」
「相手が困っているなら助けてあげたい」
「距離を置いた方がいいと頭ではわかっていても、どうしても離れられない」

その優しさは、本当に素敵なものです。
あなたが人を思いやれる人だからこそ、そう感じるのです。

けれど、その優しさが
**“自分を苦しめる形”**で働いてしまうときがあります。

それが、**共依存(きょういぞん)**です。

共依存は「弱さ」でも「性格の問題」でもありません。
むしろ、優しさ・責任感・思いやり・誠実さ……といった
あなたの“良さ”の裏側で起きてしまう心の習慣。

本記事では、Luanaらしい視点で
やさしく、深く、あなたの心に寄り添いながら
共依存をほどいていきます。


■第1章 共依存とはどんな状態?

●共依存は「愛が深い人ほど陥りやすい」

共依存とは、心理学では
「相手に必要とされることで、自分の価値を保とうとする関係性」
を指します。

・相手が自分を必要としていないと不安
・尽くすことで安心する
・NOと言えない
・相手の問題を自分の責任のように抱え込む
・離れた方がいいとわかっていても離れられない

“相手のため”という名のもとに、
自分の心をすり減らしてしまうのが共依存のつらいところです。


●「助ける側」と「助けられる側」

共依存は、一方的ではなく“関係性”として生じます。


①【ケアする側(支える側)】

・相手の悩みを聞きすぎる
・何とかしなきゃと思ってしまう
・見捨てられるのが怖い
・自分の時間や健康を後回しにしてしまう


②【依存する側(頼る側)】

・人に支えてもらうことが当たり前になる
・自力で問題解決しようとしない
・相手が離れないように弱さを見せる
・責任を人に預ける癖がつく


この二人が出会うと、
離れられないけれど苦しい関係ができてしまいます。

Luanaでは、この心の仕組みを「絡まった糸」と呼ぶことがあります。
決して切る必要はありません。
ただ、ゆっくり優しく、ほぐしていくことが必要なのです。


■第2章 なぜ私は共依存になってしまうの?

共依存の背景には、心の奥深くにある“傷ついた子ども”の存在がよく見られます。
Luanaではそれを、インナーチャイルドと呼びます。


●1. 幼いころから「いい子」をやってきた

・親の機嫌をとってきた
・怒られないように空気を読む癖
・「迷惑をかけてはいけない」と教えられてきた

その結果、
「自分より人を優先しなければ愛されない」
という思い込みが育ってしまうことがあります。


●2. 親が不安定だった・弱かった

・親が孤独だった
・病気がちだった
・感情的だった
・過干渉だった

子どもは大好きな親のために
「私が助けなきゃ」と役割を背負ってしまいます。

これがのちに
“助けてあげなきゃ不安になる”
という共依存の土台になります。


●3. 自分に自信が持てない

共依存の根っこには、
「私は価値のある存在だ」という感覚の不足があります。

だからこそ、
誰かに頼られた瞬間、
胸の奥にふわっと“生きていていいんだ”という安心感が生まれます。

その感覚がクセになり、離れられなくなるのです。


●4. 見捨てられ不安

共依存の人は心のどこかで
「離れられたら終わりだ」
という強い恐れを抱えています。

だから苦しくても離れられない。
だから辛くても尽くしてしまう。

心はあなたを守ろうとしているのに、
その方法が少し不器用なだけなのです。


■第3章 共依存が生み出す“静かな苦しみ”

共依存は一見「優しい関係」に見えます。
でも、内側ではゆっくりと心が疲弊していきます。


●① 自分の時間がなくなる

「仕事より彼」
「家族よりパートナー」
「趣味より相手のため」

気づいた頃には、
あなたの人生が“相手中心”になってしまいます。


●② 感謝されないどころか、責められることもある

共依存関係では、
“尽くされる側”が次第に感謝を失っていきます。

そして
「どうして助けてくれないの?」
と怒りに変わることさえあります。


●③ 問題が悪化しやすい

・借金
・ギャンブル
・依存症
・不誠実な恋愛
・責任逃れ

こうした問題は、あなたが助けることで“続いてしまう”ことがあります。

優しさが、相手を成長させるのではなく、
停滞させてしまうことがあるのです。


●④ “空っぽの自分”を感じてしまう

共依存が進むと、心の奥で
「私って何のために生きているんだろう」
という虚しさが生まれます。

それは、
自分の人生を置き去りにしてしまったサインです。


■第4章 共依存から抜け出す5つのステップ

Luanaが大切にしている“ゆるやかな回復”

共依存からの回復に必要なのは、
強引な断ち切りではなく
ゆっくり丁寧に、自分の心に戻っていくことです。


◎ステップ1:気づくことがすべての始まり

「私は共依存かもしれない」

そう感じた時点で、もう回復は始まっています。
これは責めるための診断ではありません。
むしろ、
**心を守るための“優しい気づき”**です。


◎ステップ2:境界線(バウンダリー)を取り戻す

Luanaがとても大切にしている概念です。

・相手の問題を背負わない
・相手の気持ちは相手のもの
・自分にNOを禁止しない

少しずつ境界線を取り戻すことで、
心は驚くほど軽くなります。


◎ステップ3:自分の中の“小さな子ども”を癒す

共依存の背景には、
幼いころ我慢してきた気持ちが眠っています。

・褒められたかった
・甘えたかった
・見捨てられたくなかった

こうした気持ちをカウンセリングで
一つひとつ丁寧に癒していくことで、
共依存の“根っこ”が静かにほどけていきます。


◎ステップ4:相手を「助ける」から「信じる」へ

助けることは時に相手の成長を奪います。
けれど、
信じることは相手を強くします。

「あなたならできるよ」
「あなたの人生はあなたのものだよ」

こうした姿勢は、
あなたを楽にし、相手を自立に導きます。


◎ステップ5:一人で抱えない。専門家を頼る

共依存は、ひとりで抜け出すのがとても難しい心のクセです。
だからこそ、Luanaでは

・心の整理
・境界線の練習
・自己価値の回復
・関係性の再構築

こうしたプロセスを伴走しながら支えます。

“ゆるやかに、でも確実に”変わっていける場所が、Luanaです。


■第5章 Luanaで大切にしている「共依存のケア」

●1. 心の安全基地をつくる

まずは、あなたの心が安心できる場所を整えます。
評価も否定もありません。

●2. 生育歴の丁寧なヒアリング

共依存の源を優しく紐解きます。
決して責める視点ではなく、あくまで理解のために。

●3. 自己価値の回復

自分を後回しにしない練習をします。
小さな成功体験を一緒に積んでいきます。

●4. 関係性の整理

恋愛・夫婦・親子・仕事…
あなたが抱えてきた関係を整理し、
必要な距離感を探していきます。

●5. “再び苦しい関係に戻らない心”を育てる

境界線・自尊心・感情理解。
これらを整えることで共依存を繰り返さない心が育ちます。


■まとめ:あなたは、誰かのために尽くしすぎなくていい

あなたの人生は、あなたのものだから

共依存は、優しい人だからこそ陥ります。
あなたは悪くありません。
必要なのは「心の向き」を少し変えることだけです。

・自分を後回しにしない
・相手の人生を背負わない
・自分の気持ちを大切にする

それだけで、
心はゆっくりと自由を取り戻していきます。

もし今、
「苦しい」「離れたいのに離れられない」
そんな気持ちを抱えているなら、
その心にそっと寄り添う準備がLuanaにはあります。

あなたの心が、海のように穏やかに戻れるように。
そのお手伝いができれば嬉しく思います。

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