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ブログ 【夫婦の問題】

夫婦問題と生育歴の関係性

―「なぜ、同じことでいつもぶつかるのか」心理カウンセラーが見る心のルーツ―

こんにちは。心理カウンセリングサロンLuanaの金崎です。

夫婦関係の相談を受けていると、よく耳にする言葉があります。
「また同じことでケンカしてしまいました」
「相手に変わってほしいのに、全然変わらない」
「私ばかり我慢している気がする」

けれど、じっくりとお話を伺っていくうちに見えてくるのは――
「夫婦の問題」は、実は“現在”だけのものではない、ということ。
その背景には、生まれ育った家庭での体験=生育歴が深く関わっていることが多いのです。

本記事では、心理カウンセリングの視点から、夫婦問題と生育歴の関係性を丁寧に紐解いていきます。


1.夫婦関係は「二人でつくるもの」ではなく「二人の過去でできている」

結婚とは、二人の人間が出会い、人生を共に歩む選択をすること。
しかし、二人が出会うとき、実はそれぞれの**心の中には“もう一つの家族”**が存在しています。

人は誰でも、生まれ育った家庭で、親や兄弟との関わり方を通して「愛し方」や「信頼の仕方」「感情表現のルール」を学びます。
それが無意識のうちに、夫婦関係にも持ち込まれてしまうのです。

たとえば、

  • 子どもの頃から「いい子」でいなければ愛されなかった人は、結婚後も「相手に嫌われないように」と我慢してしまう。

  • いつも親がケンカばかりしていた人は、「衝突=怖いもの」と感じ、話し合いを避けるようになる。

  • 逆に、感情的な親のもとで育った人は、感情を強くぶつけなければ相手に伝わらないと信じていることもあります。

このように、**夫婦のトラブルは“今起きていること”でありながら、“昔の関係性の再現”**でもあるのです。


2.生育歴がもたらす「心のクセ」

心理学では、こうした無意識のパターンを**スキーマ(心理的枠組み)**と呼びます。
スキーマは、幼少期の体験を通して形成され、その後の人間関係に強い影響を与えます。

代表的なスキーマの例

  1. 見捨てられ不安型
     常に相手が離れていくのではないかという恐れを抱くタイプ。
     幼少期に親の愛情が不安定だったり、突然の別れを経験した人に多く見られます。
     → 夫婦関係では、「返信が遅い」「そっけない態度」に過敏に反応し、相手を責めてしまうことがあります。

  2. 過剰責任型
     「自分が頑張らなければ」「私さえ我慢すれば」と感じるタイプ。
     幼い頃から“家族の中で大人の役割”を担ってきた人に多い傾向です。
     → パートナーに頼ることが苦手で、心の距離が生まれやすい。

  3. 支配・服従型
     「相手に合わせないと怒られる」「反論すると嫌われる」と学習してきた人は、無意識に服従的になりやすい。
     → 反対に、子ども時代に自分の意見が通ってきた人は、相手をコントロールしようとする傾向が出ることもあります。

このようなスキーマは、意識して変えない限り、**夫婦関係で繰り返される“心の脚本”**になります。


3.「なぜこの人を選んだのか」――愛の選択にも理由がある

心理学では、パートナー選びにも無意識の動機があるといわれます。
それは「自分の未完の課題を、相手を通してやり直そうとする」心の働きです。

たとえば、

  • 子ども時代に感情を抑えてきた人は、自由奔放な相手に惹かれやすい。

  • 親から十分に守られなかった人は、頼りがいのある人を求める。

  • 逆に、過干渉な親に疲れていた人は、距離を取るタイプの人に安心感を覚える。

最初は魅力に感じた部分が、結婚生活の中で**「どうしてこんなにわかってくれないの?」**という不満に変わる。
これはまさに、心が「過去の課題に向き合おう」としているサインなのです。


4.夫婦喧嘩の裏にある「感情の再演」

夫婦喧嘩は、ただの意見の衝突ではありません。
実は、「過去の感情が蘇る瞬間」でもあります。

ある女性のケースを紹介します(実例をもとにした架空のケースです)。

Aさん(40代女性)は、夫が帰宅しても挨拶もせずテレビをつけるたびに、強い怒りを感じていました。
彼女の中では「私は大切にされていない」「存在を無視されている」という思いが湧き上がります。
カウンセリングで丁寧に振り返ると、Aさんの幼少期、忙しい母親に「今は話しかけないで!」と突き放された経験が繰り返しあったことがわかりました。

夫の態度が「今の出来事」であるにもかかわらず、Aさんの心は「昔の寂しさ」に反応していたのです。
つまり、彼女が怒っていたのは“夫そのもの”ではなく、“幼い自分を無視した母親の面影”でした。

このように、夫婦の衝突の裏には、**「過去の感情が癒されていないまま残っている」**ことがよくあります。


5.「相手を変える」より「自分の内側を見つめる」

多くの夫婦が「相手さえ変わってくれれば」と願います。
けれど、心理的な問題の多くは、「相手の行動」ではなく「自分の感じ方・反応の仕方」に根があります。

つまり、相手を責める前に、

「私はなぜ、こんなにこの言葉に傷つくのだろう?」
「この反応は、どこかで経験したことがある感情ではないか?」

と、自分の心を見つめることが大切です。
それが「生育歴との対話」の第一歩になります。

Luanaのカウンセリングでは、この“内省の時間”をとても大切にしています。
安心できる空間で、少しずつ過去の自分を理解し、今のパートナーシップを見つめ直す。
そうすることで、相手との関係性にも変化が生まれていきます。


6.「癒し」と「再構築」のステップ

では、どうすれば生育歴に影響された夫婦関係を癒せるのでしょうか。
ここでは、カウンセリングで用いる代表的なプロセスを紹介します。

ステップ① 気づく

「相手への怒りの根には、昔の痛みがある」と気づくことがスタート。
気づくだけでも、感情の渦に飲み込まれにくくなります。

ステップ② 理解する

生育歴の中で、どんな思いを抱えてきたのかを言語化していく。
「私が怒っているのは、無視されたと感じる“あのときの私”なんだ」とわかると、感情の整理が進みます。

ステップ③ 癒す

インナーチャイルドワークや、ゲシュタルト的な感情表現などを通して、未完の思いを癒していきます。
涙が流れる瞬間は、心が“過去から自由になる”サインです。

ステップ④ 新しい関係を築く

過去の痛みを癒すことで、今のパートナーを「親の代わり」ではなく「対等な存在」として見ることができるようになります。
そこから本当の意味での“夫婦再構築”が始まります。


7.カウンセリングが果たす役割

夫婦問題に直面しているとき、私たちはどうしても「答えを出そう」と焦ってしまいます。
けれど、心の問題は“答えを見つける”よりも、“自分の心の声を聴く”ことのほうが大切です。

カウンセラーの役割は、どちらの味方をすることでも、解決策を押しつけることでもありません。
二人の間に流れている「心のエネルギーの流れ」を丁寧に読み解き、
それぞれの背景や生育歴に優しく光を当てていくことです。

Luanaでは、個別カウンセリング・夫婦カウンセリングのいずれも行っています。
お一人でお越しいただいても大丈夫です。
「自分を理解すること」こそが、夫婦関係の回復の第一歩だからです。


8.まとめ:生育歴を知ることは、愛を深めること

夫婦問題は、決して「誰が悪いか」を決めるものではありません。
むしろ、お互いが育ってきた背景を理解し合うことで、初めて本当の愛情が芽生えるのです。

過去の痛みを知ることは、弱さではありません。
それは、「心のルーツを理解し、未来を変える勇気の行為」です。

Luanaのカウンセリングでは、夫婦の「今」に寄り添いながら、「過去の癒し」と「これからの希望」をつなげていくサポートを行っています。

「もう、わかり合えない」と思っていた二人が、
「あのとき、あなたも寂しかったんだね」と言葉を交わせた瞬間――
愛は、再び動き出します。


心理カウンセリングサロンLuana

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夫婦関係、生育歴、自己理解に関するご相談を受け付けています。
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Luana代表 心理カウンセリング 大阪の心理カウンセリング

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