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ブログ 【統合失調症とは】

統合失調症と心のサポート|Luanaカウンセラーブログ

こんにちは。プロフェッショナル心理カウンセラーの金崎です。
今回は、統合失調症の方とそのご家族に向けて、心理カウンセリングの視点からの理解とサポートについて解説します。

統合失調症は、脳の機能や神経伝達物質の影響により、思考や感情、認知に変化が起こる病気です。しかし、単に「病気の症状」として捉えるだけでは不十分です。その人の心の体験に寄り添い、日常生活や感情を整理する支援が重要です。


統合失調症の心の体験を理解する

統合失調症の症状は大きく分けて、陽性症状陰性症状があります。
心理カウンセリング的には、症状の背後にある感情や不安、孤独感に注目します。

陽性症状の心の側面

  • 幻覚:見えないものや聞こえない声が「現実」として体験されます。本人は混乱や恐怖を感じています。

  • 妄想:理屈では理解できない信念ですが、本人にとっては現実そのものです。否定すると不安や孤独が増します。

  • 思考の混乱:頭の中で考えがまとまらず、言葉が出にくくなる状態。カウンセリングでは、ゆっくり整理することを支援します。

陰性症状の心の側面

  • 意欲低下:「やりたいことがわからない」「何をしても楽しくない」と感じることがあります。

  • 感情の平板化:喜びや悲しみを感じにくくなるため、他者との感情交流が難しくなります。

  • 社会的引きこもり:孤独や不安から、他者と距離を置く行動が増えます。

心理カウンセラーは、症状そのものよりその人の感じている不安や孤独、困難な体験に寄り添うことを優先します。


心理カウンセラーの関わり方

統合失調症の方へのカウンセリングでは、次の視点が重要です。

1. 感情の受容

  • 幻覚や妄想を否定せず、まずは「怖い気持ちを受け止める」

  • 「そう感じるんですね」「不安だったね」と共感する

  • 体験そのものではなく、感情に焦点を当てることで安心感が生まれます

2. 思考や感情の整理

  • 紙に書き出したり、声に出して話すことで心の整理を促す

  • 認知の歪みや不安の強さをカウンセラーと一緒に確認する

  • 焦らず、少しずつ自己理解を深めるサポート

3. 小さな成功体験の積み重ね

  • 日常生活でできる小さな行動や選択を一緒に振り返る

  • 「今日やれたこと」に注目し、達成感や自己肯定感を育む


家族への心理カウンセリング的アプローチ

統合失調症の家族も、不安・戸惑い・孤独感を抱えています。心理カウンセリングでは、次のポイントをサポートします。

1. 感情の整理と受容

  • 家族自身の不安や怒り、戸惑いを整理する場を提供

  • 「悪いのは本人ではない」「症状は病気によるもの」と理解できるようサポート

2. コミュニケーションの工夫

  • 症状を否定せず、感情に寄り添った会話の練習

  • 例:「その声は怖いね。そばにいるよ」と安心を伝える

  • 否定や叱責より、安心・共感・理解を重視する

3. 家族自身のセルフケア

  • カウンセラーと一緒にストレス軽減法を考える

  • 支援グループや相談窓口を活用

  • 焦らず、無理のない関わり方を見つける


日常生活での心理的工夫

統合失調症の方の生活を心理的に支える工夫も大切です。

1. 安定した生活リズム

  • 起床・就寝時間の一定化

  • 食事・運動の習慣化

  • 日常のルーチンが心理的安心感を生みます

2. ストレスや不安のセルフモニタリング

  • 気持ちを書き出す、声に出して話す

  • 「今日は何が辛かったか」「どんな気持ちがあったか」を整理

  • カウンセラーと振り返り、感情の整理をサポート

3. 社会参加と自己表現

  • 無理のない範囲で外出や活動に参加

  • 趣味や創作活動を通して自己表現

  • 小さな達成体験が自信と安心につながる


Luanaでの具体的サポート例

  • 個人カウンセリング:幻覚や妄想の不安整理、感情の可視化、日常生活の工夫

  • 家族カウンセリング:感情の受容、安心できる関わり方の練習

  • 支援ネットワークの活用:医療・福祉・就労支援との連携、生活リズムやセルフケア法のアドバイス


統合失調症と共に生きる心理学的ポイント

統合失調症は生涯続くこともありますが、心理的サポートと適切な治療の両立で安心した生活が可能です。
心理カウンセリング的には、

  1. 症状の背後にある感情に寄り添う

  2. 思考・感情・行動の整理を支援する

  3. 家族も含め、安心できる環境を作る

ことが大切です。


まとめ

  • 統合失調症は脳の病気で、性格や甘えではない

  • 陽性症状・陰性症状の背後にある「心の体験」に注目

  • 家族や周囲は否定せず共感し、心理的安心を提供

  • カウンセラーは、感情整理や自己理解、日常生活のサポートを通して、当事者と家族の安心を支える

統合失調症の方や家族が安心して相談できる場を作ることが、心理カウンセリングの大きな役割です。
Luanaでは、当事者も家族も安心できるカウンセリングを提供しています。

Luana代表 心理カウンセリング 大阪の心理カウンセリング

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