白雪姫を心理カウンセラーの視点から読み解く 〜Luanaブログ〜
こんにちは、心理カウンセリングサロンLuanaの金崎です。
今日は誰もが知っている童話「白雪姫」を、心理カウンセラーの視点から少し深く掘り下げてみたいと思います。
私たちが子どもの頃に読んだおとぎ話には、実は深い心理的メッセージが込められていることが少なくありません。
特に「白雪姫」は、母娘関係、承認欲求、嫉妬、自我形成といったテーマを映し出す格好の物語です。
単なるおとぎ話ではなく、「人はどう生き、どう自分らしさを見つけていくのか」という普遍的な課題を描いたものとも言えるでしょう。
1. 白雪姫の物語を心理的に読み解く
「白雪姫」はざっくり言えば次のような流れです。
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美しい白雪姫が誕生する。
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母は亡くなり、継母となった女王が現れる。
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魔法の鏡に「世界で一番美しいのは白雪姫」と告げられたことで、女王は嫉妬に狂う。
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白雪姫は命を狙われ、森へと逃げ込む。
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小人たちと暮らしながら、何度も継母に毒リンゴなどで命を奪われそうになる。
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最後には王子に救われ、幸せを得る。
一見すると「嫉妬深い継母」と「ひたすら受け身の白雪姫」、「そして助けてくれる王子」という単純な構図に思えます。
しかし心理学の視点から見ると、この物語は 「母と娘の葛藤」「女性の成長プロセス」「自己価値の確立」 がテーマになっています。
2. 継母=「影の母性」としての存在
心理学者ユングの概念を借りると、継母は「母性の影」を象徴しています。
母性は本来「育む力」を持っていますが、その裏側には「嫉妬」「支配」「排除」というネガティブな側面も潜んでいます。
継母が白雪姫に対して「自分より美しくなるのを許せない」と感じるのは、現実世界でもよく見られる感情です。
たとえば、母親が娘の成長に無意識の不安や嫉妬を覚えることは珍しくありません。
「あなたが大人になってしまうと、私は不要になる」
そんな不安が、過干渉や過保護、あるいは逆に冷たさとして表れることがあります。
継母は白雪姫に「生きるな」と禁止令を突きつけているようにも見えます。
つまり「あなたは私より輝いてはいけない」「成長してはいけない」という強烈なメッセージです。
3. 白雪姫の「受け身」の生き方
では白雪姫自身はどうでしょうか?
彼女は基本的に「受け身」であり、「誰かに助けてもらう」ことで生き延びます。
狩人に助けられ、小人に助けられ、最終的には王子に救われる。
ここには「自分の力で人生を切り開いてはいけない」という禁止令が隠れているように見えます。
つまり「自分の意思で戦ってはいけない」「自分で選んではいけない」という脚本です。
心理カウンセリングの現場でも、このような「受け身の人生脚本」を持つ方は少なくありません。
例えば、
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人に嫌われないようにいつも笑顔でいる
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誰かに選んでもらうのを待ってしまう
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自分の本音を抑え込んでしまう
といったパターンです。
白雪姫はまさに「良い子」の象徴であり、その代償として「自分で生きる力」を発揮できていません。
4. 王子という「救済者」
物語の終盤、白雪姫を救うのは王子です。
王子は心理学的に「救済者」や「理想化された他者」を象徴しています。
これは「誰かが私を救ってくれるはず」という依存的な願望を表していると解釈できます。
しかし現実では、王子様は現れません。
私たちが本当に必要としているのは「外からの救済」ではなく「自分自身の力を取り戻すこと」なのです。
5. 白雪姫の物語が現代女性に映すもの
現代の女性たちのカウンセリングでも、白雪姫のような心理パターンが見られます。
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母との関係で抑圧された自己
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「あなたは女の子なんだから控えめに」
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「目立ってはいけない」
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「私より幸せになってはいけない」
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受け身の人生を歩む
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「誰かが選んでくれるのを待つ」
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「人に迷惑をかけてはいけないから我慢する」
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外部の救済者への期待
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「結婚すれば幸せになれる」
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「仕事を変えれば人生が変わる」
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「誰かが私を認めてくれたら安心できる」
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こうした心理パターンは「白雪姫症候群」と呼ばれることもあります。
6. 白雪姫が教えてくれる「心の解放」
では、白雪姫の物語から私たちは何を学べるのでしょうか。
心理カウンセラーの視点から言うと、それは 「受け身から主体性へ」 という変化です。
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継母の嫉妬=他人からの禁止令に屈しない
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受け身の生き方=自分の意思を抑え込む習慣から抜け出す
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王子の救済=外に依存するのではなく、自分の力を信じる
つまり「自分の人生を自分で選び取ること」が大切だというメッセージです。
7. Luanaでの実践的サポート
Luanaのカウンセリングでは、白雪姫のように「受け身で生きてきた自分」に気づいた方がたくさんいらっしゃいます。
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「母の顔色を見てばかりで、自分の意見を言えない」
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「人に嫌われるのが怖くて、頼まれたことを断れない」
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「恋愛でも仕事でも、選んでもらうのを待ってしまう」
こうした方々が、自分の禁止令に気づき、少しずつ自分の力を取り戻していくプロセスは、まさに「白雪姫が眠りから目覚める瞬間」と重なります。
私たちがサポートするのは、王子のように「救う」ことではなく、「眠りから自分で目覚める力」を育むことです。
まとめ
白雪姫の物語は、
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母と娘の葛藤
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受け身の人生脚本
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外部救済への依存
という深い心理テーマを映し出しています。
そして、その結末は「自分で自分を目覚めさせる」ことの大切さを教えてくれます。
Luanaでは、あなたがもし「白雪姫のように受け身で生きてきた」と感じるなら、その脚本を書き換えるお手伝いをしています。
「誰かに救われるのを待つ」のではなく、
「自分で人生を選び取る」
その一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか?